PARTNER-JetにSMP Linux対応デバッグ機能追加を発表
複雑化するマルチコアCPU搭載組み込みシステムのソフトウェア開発を強力に支援
2007年10月15日
関係者各位
京都マイクロコンピュータ株式会社
京都マイクロコンピュータ株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長:山本彰一)は、本日、当社製 JTAG-ICE「PARTNER-Jet」に、新たにSMP(Symmetric Multiprocessing) Linux(以下、SMP Linux)に対応したデバッグ機能を追加したことを発表しました。SMP Linuxデバッグは、従来から販売しているPARTNER-JetのマルチコアデバッグオプションとLinuxデバッグオプションの両方をご購入のユーザー様向けに追加機能として提供されます。(年間保守サービスが有効であること) なお、本機能は、ARM MPCore、SH-4Aマルチコア版、AM34に対応しており、今後MIPSコアにも対応する予定です。
このたび発表したSMP Linuxデバッグ機能は、PARTNER-Jet 1台で、SMP Linux カーネル、ローダブルモジュール、そしてアプリケーションまでのすべてをデバッグできます。また、複数のCPUにおいて、SMP Linuxが動作しているシステムでも、一つのデバッガでデバッグを行うことができ、シングルCPUと同じような感覚でのデバッグを実現しました。
従来の当社のマルチコア対応は、複数のCPUコアを搭載したSoC(System on Chip)をデバッグする機能で、OSはCPUコアごとに搭載されたものでした。今回発表のSMP Linux対応は、マルチコアCPU上で動作するSMP Linuxのデバッグに対応したものです。マルチコアSMPシステムでは、各スレッド(タスク)が実行されるCPUコアをSMP Linuxのスケジューラーが動的に決定します。例えば、ある瞬間にCore 0で実行していたスレッドが、次の瞬間にはCore 2で実行しているようなことがあります。このような場合には、スレッドに設定したブレークポイントがどのCPUコアから発生するかは、ブレークイベントが発生するまでわかりません。SMPに対応したPARTNER-Jetでは、デバッガが直接SMP Linuxを解析することにより、どのCPUコアでブレークイベントが発生しても、そのブレークイベントが発生したスレッドやプロセスを特定して、正しく処理ができるようになっています。
SMP Linuxデバッグ機能は、すでにリーディングパートナー様向けにサンプル版を出荷し評価していただいていますが、正式版のリリースは、2008年の第一四半期を予定しています。10月16日に開催されるARM Forumにて、実際にMPCore上でのSMP Linuxデバッグをデモンストレーション展示いたします。
SMP Linuxデバッグ機能の特徴
* | SMP Linuxを正確に把握しているため、デバッグ対象がSMPのCPUコアを移動しても同一のデバッガウィンドウが自動的に対応 |
* | 複数のアプリケーションを同時にデバッグ可能 |
* | 実績豊富な従来のLinuxデバッグの機能がすべて使用可能 |
京都マイクロコンピュータ株式会社について
京都マイクロコンピュータ株式会社(
http://www.kmckk.co.jp/)は、1985年の設立以来、組み込み開発環境の充実と効率化をテーマに製品の開発を行ってきました。超高速JTAG ICEとデバッガソフトを組み合わせたPARTNER-Jetシリーズをはじめ、コンパイラなどの開発環境と評価ボード類を軸に、常に組み込み開発を支援する先進的な製品を提供しています。
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