Windows CE対応デバッガおよび開発環境を出荷開始
Windows CE搭載の組み込み機器開発を強力に支援
2007年8月8日
関係者各位
京都マイクロコンピュータ株式会社
京都マイクロコンピュータ株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長:山本彰一)は、本日、当社製 JTAG-ICE「PARTNER-Jet」用の「Windows CEデバッグオプション」の出荷を開始したと発表しました。これにより、PARTNER-JetでWindows CEを採用したソフトウェア開発が可能になり、Windows CEのCPUレベルからアプリケーションレベルまで本格評価ができます。Windows CEデバッグオプションは、従来から販売しているPARTNER-Jetのオプションとして販売されるので、すでにPARTNER-Jetをご利用の方は、本オプションの購入のみで利用可能です。本オプションは、ARM、MIPS、SH CPUのWindows CEに対応し、またWindows CE 5.0とWindows Embedded CE 6.0のデバッグに対応します。価格は各CPUともに10万円で、PARTNER-Jet1台につき1つ必要になります。なお、Windows CEデバッグオプションご利用には、PARTNER-Jetの年間保守契約が別途必要(5万円/年、既にご契約の方は必要ありません)になります。
従来のWindows CEのデバッグにおいては、JTAG ICEなどのハードウェアデバッグ支援ツールの利用は有効ではありませんでした。マイクロソフト社の CE Platform Builder付属のデバッグ機能を用いるケースが多いのですが、このWindows CE開発環境(Platform BuilderやVisual Studio)では、Ethernetドライバなど、なんらかの通信機能をデバッグに割り当てる必要がありました。しかし、Windows CE開発者からは、Ethernetドライバなどが無い状態からでもWindows CEのデバッグ開発やICEの機能を使いたいという要求がありました。当社はこのような要求に対し、PARTNER-JetにWindows CEを解析してデバッグする機能や、Windows CEのデバッグを実現しました。ICEを用いたデバックが可能になることで、Windows CE開発者は、Platform BuilderやVisual Studioを使用すること無く、カーネルやドライバ、そしてアプリケーションのデバッグが可能になります。これは、出荷用のソフトウェアに手を加えずに、そのままソースコードデバッグが可能になる事を意味します。さらに、従来のデバッグ環境ではソースコードデバッグがほぼ不可能だった専用ブートローダebootのソースコードデバッグも可能です。そして、ソースコードデバッグが非常に難しかった割り込み周り、デバイスドライバ開発およびOSでハングアップしたときなど複雑でクリティカルな問題の解析およびデバッグが可能です。また、PARTNER-Jet Windows CEデバッグオプションは、マイクロソフト社がWindows CE用に定めるICE接続規格のeXDI2にも対応します。ICEの全機能が必要でなく、またソフトウェアをデバッグ用に構成できる場合には、デバッグ制御H/WにPARTNER-Jetを使い、デバッガユーザーインタフェースには使い慣れたVisual Studio 2005/ Platform Builderを利用する事が可能です。
当社は、昨年11月に開催されたET2006に、Windows CE 5.0のBSPをポーティングしたKZM-ARM11-01とPARTNER-Jetの組み合わせで、実際にWindows CEをデバックするデモを展示しました。また、今年5月にラスベガスで開催されたMEDC Microsoft Mobile & Embedded DevConでも弊社エンジニアが ”Debugging Windows CE via JTAG ICE” と題した講演をデモを交えながら行いました。これらのイベント後、ご興味をお持ちいただいた来場者の方々より、ご質問やフィードバックをいただきながら製品のチューンナップを行い、このたびの出荷に至りました。すでにリクエストをいただいたお客様に出荷し、評価していただいています。
Windows CEデバッグオプションの特徴
・ICEでWindows CEのソースコードデバッグが可能
・Release Buildで生成した最終製品ソフトウェアでのデバッグが可能
・デバッグモニタなどのシステム負荷無しの実動作速度でデバッグが可能
・JTAG以外の接続は必要なし
・ハードウェアブレークなどICE機能の利用も可能
・eXDI2に対応し、Visual Studio 2005からの利用も可能
Windows CE、Visual Studio、Platform Builderは、マイクロソフト社の商標または登録商標です。
京都マイクロコンピュータ株式会社について
京都マイクロコンピュータ株式会社(www.kmckk.co.jp)は、1985年の設立以来、組み込み開発環境の充実と効率化をテーマに製品の開発を行ってきました。超高速JTAG ICEとデバッガソフトを組み合わせたPARTNER-Jetシリーズをはじめ、ROMインサーキットデバッガ、コンパイラなどの開発環境と評価ボード類を軸に、常に組み込み開発を支援する先進的な製品を提供しています。
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