ニュースリリース:高精度のLinux対応パフォーマンス解析技術を超高速JTAG ICE PARTNER-Jetに搭載
2005年11月10日
関係者各位
京都マイクロコンピュータ株式会社
京都マイクロコンピュータ株式会社(代表取締役社長:山本彰一 京都府京都市、略称:KMC)は、追加のハードウェア無しで組み込みLinuxに対応したパフォーマンス解析技術をPARTNER-Jetに搭載しました。今までの通常のICEでは、MMU仮想空間を用いた組み込みLinuxを外部からプロファイリングでパファーマンス解析する事は不可能でした。 KMCはPARTNER-JetでサポートするLinuxデバッグ機能の拡張で、組み込みLinuxを用いたシステムをトータルにプロファイリングし、パフォーマンス解析を行う事を可能にしました。Linuxの開発においてはその複雑性から性能劣化している部分の特定に時間がかかっていましたが、 PARNTER-Jetに搭載されるLinuxパフォーマンス解析技術により性能を劣化させている部分をピンポイントで発見することができ性能向上につなげることができます。本機能を利用するためには、Linuxカーネルに小さなパッチをあてる事が必要ですが、ユーザアプリケーションやデバイスドライバの追加・変更はありません。
デバッガソフトPARTNERに統合されたパフォーマンス解析技術は解析分解能100マイクロ秒毎に実行されている部分をサンプリングし、最長15分間にわたり解析結果を保存できます。記録した解析結果は関数毎やアプリケーション毎、プロセス毎に見たり、タスク遷移の情報を同時に記録し表示することができます。また結果をExcel形式で保存できるため、結果を簡単にビジュアル化可能です。最長15分に渡り実行履歴をサンプリングできるため性能解析だけではなく、ソースコードのカバレッジを測りプログラムの品質向上に役立てることもできます。
Linuxを搭載したシステムのパフォーマンス解析技術としては、LTT(Linux Trace Toolkit)やLKST(Linux Kernel State Tracer)が有名ですが、これらの機能はプロファイルしたいシステムのメモリ上にトレースデータを格納するために多くのバッファメモリが必要です。バッファを小さくした場合でも、トレースデータを外部に送信するためにパフォーマンス解析時のシステムの速度低下が大きい事が問題になっていました。今回 KMCが提供するパフォーマンス解析技術はユーザのターゲット側に特別なインターフェースを必要とせず、PARTNER-JetのJTAGケーブルを接続するだけで簡単にパフォーマンス解析を記録することができ、実行速度の低下を100分の1以下に抑え、実用に耐える性能解析技術を提供することに成功しました。
特別なハードウェアなどが不要なため、デバッガソフトPARTNERのアップデートだけで、現在PARTNER-Jetをお使いのユーザ様に利用していただくことが可能です。また11月16日から横浜で開催されるEmbedded Technology 2005(ET2005)で本技術のデモンストレーションをいたします。
本機能はOSとしてLinuxを搭載してシステムのプロファイリング機能として開発されましたが、その実装はLinuxには依存しておりません。SymbianやITRON含めて順次他のOSや、またOSレスの環境でも本機能が利用できるようにしていく予定です。
PARTMER-Jetは、1つのJTAG接続でマルチコアCPUに対応したデバッグが可能な、KMCのフラッグシップ超高速JTAG ICEです。
京都マイクロコンピュータ株式会社について
京都マイクロコンピュータ株式会社は、1985年の設立以来、開発環境の充実をテーマに製品の開発を行ってまいりました。先進のJTAG ICEとデバッガソフトウェアを組み合わせたPARTNER-Jetシリーズをはじめ、ROMインサーキットデバッガ、コンパイラなどの開発環境とCPU ボード類を軸に時代のニーズに応える製品群を開発・販売しています。
主力製品PARTNER-Jet(2003年11月発売)/PARTNER-JetM(2004年8月発売)は、Linux搭載機器の開発など、最先端の組み込み開発環境に強力なデバッグ機能を提供するJTAG ICEです。PARTNER-JetMは200MHz以上の高速トレースクロックに対応し、10MBytes/Sec以上の最大ダウンロード速度を実現した、エミュレーションメモリユニット付属の高性能JTAG ICEです。
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京都マイクロコンピュータ株式会社
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