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ニュースリリース：GNU CにITRONカーネルをバンドル、組込み開発用コンパイラ「ｅｘｅＧＣＣ」Rel3を新発売

2003年5月31日
関係者各位
京都マイクロコンピュータ株式会社

GNU CにITRONカーネルをバンドル、ARM、MIPS、SH に新しい開発環境を提供

京都マイクロコンピュータ株式会社（本社：上記所在地　社長：山本彰一）は、RISC CPUを中心とした開発環境のパイオニア企業として、常に最新の組み込み開発環境をご提案してまいりました。この度、従来から高いご評価をいただいている、組込み開発用コンパイラ「exeGCC」をバージョンアップ「exeGCC」Rel3を、本年6月25日に出荷開始いたします。GNU C バージョン3.0に対応し、ITRONのカーネル PrKERNELv4をバンドル、PARTNER-JのVLINKにも新たに対応しました。最新のGNU CにITRONカーネルをバンドル、リファレンスとしてSolution Platformを使用することで、ARM、MIPS、SHに新しい開発環境をご提供します。

バージョンアップの特長

■GNU C バージョン3.0対応
■ITRON、PrKERNELv4バンドル組み込み可(ライセンスフリー※)
■新たにPARTNER-JのVirtual Linkをサポート
PARTNER-J/PARTNER-ETIIのバーチャルリンク(VLINK)機能を標準ライブラリでサポートしました。PARTNER- J/PARTNER-ETIIの動作しているターゲットでは、ターゲットにファイルシステムのない場合でもPARTNER-J/PARTNER-ETII の接続されているパソコン(PC)のファイルシステムをそのまま利用できます。
■リファレンスとしてSolition Platformを使用

※イーソル株式会社のPrKERNELv4をバンドルしています。ライセンスフリーですが、組み込みには登録が必要です。
※TRONはThe Real-time Operating system Nucleusの略称です。ITRONはIndustrial TRONの略称です。

製品特長

C++サポート

組込み開発分野でのC++の利用をサポートする新たな環境として、GNU C++をサポート。組込みに適したEC++ライブラリも同時に提供します。またC++対応のPARTNER-ETⅡやPARTNER-Jと併用することにより、ユーザシステムに合わせたC++のデバッグ環境も提供されます。

gstabデバッグ情報のサポート

GNU標準のデバッグ情報をサポート、高速でコンパクトなデバッグ環境を提供します。

バーチャルリンクをサポート

PARTNER-ETⅡ/Jのバーチャルリンク(VLINK)機能を標準ライブラリでサポートしました。PARTNER-ETⅡ/Jの動作しているターゲットでは、ターゲットにファイルシステムのない場合でもPARTNER-ETⅡ/Jの接続されているパソコン(PC)のファイルシステムをそのまま利用できます。

Windows環境に最適化されたポーティング

exeGCCは、本来UNIX環境で動作しているGNU C/C++をWindows Me / NT / 2000 XPのWIN32に最適化された形でポーティングしています。このため、GNU C/C++の高速コンパイル環境を維持してUNIX環境で鍛えられた高信頼オブジェクトを生成します。また、インストールやコンパイル環境の設定などは WindowsのGLUによる環境設定を用意しています、Windowsユーザにより使いやすい環境が整いました。

高速でコンパクトなコード生成

世界で多くのユーザによって鍛えられたGNU C/C++コンパイラは、非常に安定した高速でコンパクトなオブジェクトを生成します。

高速コンパイル

GNU C/C++コンパイラの高速性能を落とすことなく、Windows環境で高速実行できます。従来の、クロスコンパイラに比べて２倍から５倍高速にコンパイルできます。この高速コンパイルにより、プログラム開発時の、ターンアラウンドタイムが大幅に改善され開発効率のアップにつながります。

オリジナル組み込みライブラリ

組み込み用の全ライブラリを、まったく新規に開発しました。このライブラリには、ANSI C準拠のライブラリと浮動小数点エミュレータライブラリを含みます。また新に、C++のライブラリとEC++ライブラリを用意しました。特に浮動小数点エミュレータライブラリは、各CPUのアセンブラでチューニングされた、高速ライブラリとなっています。(EC++ライブラリはメトロワークスからのライセンスです。)

すべての組み込みライブラリのソースコードを公開

上記のライブラリのソースコードは、全てexeGCCのパッケージに含まれます。したがって、ユーザサイドで自由にカスタマイズ可能となっています。ライブラリのユーザプログラムへの組み込みに関しては、ロイヤリティーなどの使用料を原則として無償としています。また、ライブラリ部分及びスタートアップルーチンが完全に当社のオリジナルであるため、GNU Cを利用してもGPL(Gnu General Public Licence)やLGPL(Gnu Library General Public Licence)の制約(ユーザプログラムのソースコード又は、オブジェクトの公開、ライセンス表記など)をユーザプログラムで受けることはありません。

ANSI C及びGNU Cの拡張文法サポート

関数のプロトタイプ宣言などANSI Cの標準規格に準拠、さらにUNIXの世界で多く利用されているGNU Cの拡張文法(インライン関数宣言、インラインアセンブラなど)をサポートしています。

PARTNER-ETII/Jとの連携

exeGCCで作られたオブジェクトは、そのままPARTNER-ETIIおよびPARTNER-Jで読み込めます。勿論、C/C++言語レベルの変数、配列、ストラクチャなど自在にアクセス可能なデバッグ環境を提供します。特にWindowsバージョンのデバッガソフトPARTNERとの組み合わせは、従来にない最強の開発/デバッグ環境を提供します。

日本語対応のコンパイラ

コメントや文字列でプリプロセッサなどを使用しなくても日本語(シフトJIS)を使用できます。
GCC本体はGPL(Gnu General Public Licence)に準拠GNU C、GAS及びそのユーティリティーなどGNU関連のすべてのソースコードは公開しており、パソコン通信、または当社に直接請求のある場合(手数料が必要です)、ユーザがコンパイラのソースコードを入手できます。ただし、ｅｘｅＧＣＣのWin32エクステンダ関連部分、Win32エクステンダ本体および、デバッグ情報の圧縮フィルタ部分に関しては未公開です。また、入手された、ソースコードでコンパイルされたコンパイラに関しては、当社のサポートの範囲外になります。

対応CPU

製品ラインナップ	主な対応CPU
MIPS	VR3800/VR4000/ VR4100/VR4200/VR4300/VR4400/VR5000/VR5432/R3900/R4650
SH	SH-1/SH-2/SH-3/SH-4*　*DSPの専用命令は使えません
ARM	ARM7/ARM9

以下の製品にはPrKERNERv4はバンドルされていません。
V850	V850E
68K	68000/68010/68020/68030/68040/CPU32
MN103	MN103（AM33)

動作環境

OS：Windows98/Me/NT4.0/2000/XP

価格

exeGCC　　　　　各148,000円(税別)

PARTNER-Jetとデバッガソフト PARTNER/Winが実現した開発環境

最強 JTAG-ICEである PARTNER-Jetは、Linuxや T-Engineなどの大規模組み込みシステムのデバッグ環境に最適です。
Linuxなどを使う事によって、組み込みシステムでも MMUやメモリプロテクション機能を用いたソフトウェア開発は行われるようになってきました。従来の ICEでは MMUを用いた仮想空間で動作するソフトウェアのデバッグは出来ませんでした。
京都マイクロコンピュータは、この問題を初めて独自に解決し、仮想空間、物理空間の全てのソフトウェアを JTAG-ICEでデバッグ可能にしました。もちろん、リアルタイムトレースやハードウェアブレークポイントの利用も可能です。
これらの高度なデバッグをするにあたっても、PARTNER-Jetの高速でレスポンスの良さが、最強のデバッグ環境を提供します。