ニュースリリース:『eBinder』と『PARTNER-J/MIPS』の連携動作が実現
2003年5月28日
関係者各位
京都マイクロコンピュータ株式会社
イーソル株式会社
『eBinder』と『PARTNER-J/MIPS』の連携動作が実現
〜MIPS対応JTAG ICEを使用したリアルタイムデバッグを世界で初めて実現〜
〜『eBinder』から『PARTNER-J』の実行制御も同時に対応〜
京都マイクロコンピュータ株式会社(本社:京都市西京区、代表取締役社長:山本彰一、以下KMC)とイーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルが開発・販売を行っている、RTOSベースのシステム向け開発スイート『eBinder』のオプション製品として『eBinder for MIPS PARTNER-Jオプション』をリリースしたことを発表いたします。これにより、ARMに引き続き、『eBinder』と超高速JTAG専用デバッガ『PARTNER-J/MIPS』との連携動作が可能になります。
MIPSにおいて、同クラスの開発ツールでは世界で初めて、JTAGを使用したリアルタイムデバッグを実現しました。このたびの連携により、通信ポートを MIPSコア内蔵のJTAGポートとして、ターゲットハードウェアとホストPC間の通信が可能になります。ソフトウェア開発者はこの通信経路を使用して、『eBinder』が提供しているシステムを止めずにデバッグ可能なリアルタイムデバッグ機能や、マルチプログラミングツールを使うことで、開発効率および品質の高いソフトウェア開発ができるようになります。
最近のデジタルコンシューマ製品は搭載される通信ポートが制限されており、デバッグ用の通信ポートが確保できない場合が多くあります。『PARTNER- J』と『eBinder for MIPS PARTNER-Jオプション』を使うことにより、MIPSコア内蔵のJTAGポートがデバッグ通信ポートを代替できるため、新たに通信ポートを確保する必要がなくなります。また一般的なJTAGエミュレータが持つ機能と同様に、フラッシュメモリ上にプログラムをロードし、デバッグすることも可能です。そのほか、ハードウェアブレークや強制ブレークなどの『PARTNER-J』特有の機能を使用することが可能になります。
一方、既に『PARTNER-J』をお持ちの開発者にとっては、『eBinder』が提供する機能・ツールを使うことで、実際の製品が動作するのに近い状態で、システムを停止させることなくソフトウェアの開発・デバッグを行うことが可能になります。
『eBinder』と『PARTNER-J』の組み合わせは、ブロードバンド用通信機器、エンターテインメント機器や携帯情報端末など、MIPSコアを使ったハイパフォーマンスが要求されるリアルタイムシステムのソフトウェア開発に最適です。
京都マイクロコンピュータ株式会社のコメント
現状の組込開発では、各社が得意分野を生かし成長してきたと思います。ただこれからの開発環境を考えると1社単独でのサポートが非常に困難な時代に突入してきています。たとえば、弊社のPARTNERを使用したいが、XX社製OSはサポートしていない為、お困りになる開発者様のお話を聞くことがあります。このような場合でも、今までは、開発者の努力、時間と費用を費やしてクリアしてきたのではないでしょうか。『eBinder for MIPS PARTNER-J Option』は開発者の作業効率をスムーズにすることを最重点に考え作り上げられた製品です。『eBinder for MIPS PARTNER-J Option』はeBinderとPARTNER-J MIPSのリンクによりターゲットの開発からOSの開発までの開発期間の短縮に多いに役立つと思います。弊社の開発支援ツールPARTNER-JがμITRONで絶大なソリューションを提供されているイーソル社のeBinderに対応した事により両社の得意分野を最大限に利用することは開発担当者様にとって大きなメリットだと考えます。
イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部 上山伸幸 のコメント
「ARMに引き続き、MIPSのJTAG連携が実現しました。MIPSをコアとしたハイパフォーマンスなデジタル家電製品の開発現場には、通信ポートの制限に対するソリューションや、フラッシュメモリ上へのプログラムロード、デバッグに対するニーズが多く存在しています。『eBinder』と『PARTNER-J』の連携はこうしたニーズを満たし、システム開発の最大の課題である、開発効率および製品品質の向上を計る上で非常に有効です。」
「PARTNER-J」について
JTAGポートは、RISCを中心とする高速な新世代(システム・オン・シリコン時代)のCPUにおいてデバッグインタフェースポートとして注目されています。このデバッグポートとPARTNER-Jを接続することにより、CPU固有のデバッグ資源を最大限活用する事が可能になりました。 PARTNER-J は、JTAGツールは遅いという古い常識を打ち破り、デバッガの応答速度を犠牲にすることなくターゲットボード上で動作しているCPUから発信される多くの情報を直接デバッガが受け取り、フルに活用することで高価なインサーキットエミュレータと同等の機能を実現しました。
▽『PARTNER-J』詳細:
http://www.kmckk.co.jp/j/index.html「eBinder」について
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。
▽『eBinder』詳細:
http://www.ebinder.jp/京都マイクロコンピュータ株式会社について
1985年の設立以来、開発環境の充実をテーマに製品の充実をはかってまいりました。ソフトウェア技術を中心に、それを活用するためのハードウェアを独自に開発しています。ROMインサーキットデバッガ、コンパイラなどの開発環境と、CPUの高速化に対応するためのボード類を軸に時代のニーズにお応えする製品を開発してまいりました。 RISC CPUへの対応やJTAGツールの対応など、他社よりもより早く、今求められる技術、製品を開発する当社に今後もご期待ください。
イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。 取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。
*eBinderはイーソル株式会社の登録商標です。
*PackageBuilderはイーソル株式会社の商標です。
*PARTNER-Jは京都マイクロコンピュータ株式会社の商標です。
*Solution Platformは京都マイクロコンピュータ株式会社の商標です。
*TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
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