ニュースリリース:μITRON統合開発環境「eBinder(R)」の JTAGエミュレータ「PARTNER-J」対応版をリリース
2002年7月25日
関係者各位
京都マイクロコンピュータ株式会社
イーソル株式会社
μITRON統合開発環境「eBinder(R)」の
JTAGエミュレータ「PARTNER-J」対応版をリリース
〜JTAGエミュレータの実行制御機能で両者が連携〜
京都マイクロコンピュータ株式会社(本社:京都市西京区、代表取締役社長:山本彰一、以下KMC)とイーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、μITRON統合開発環境「eBinder」とJTAGエミュレータ「PARTNER-J」の連携作業を完了したことを発表します。「eBinder」の「PARTNER-J」対応版のリリースは、8月上旬を予定しています。この対応により、「eBinder」からJTAG エミュレータ特有の実行制御機能が利用できるようになりました。
今回対応したボードは、KMC製「Solution Platform for ARM7」、対応したコンパイラは、ARM製純正コンパイラです。これらのボードとコンパイラは、「eBinder」にバンドルしてユーザに提供されます。
「eBinder」と「PARTNER-J」を組み合わせて使うことで、デバイスドライバやOSなどシステムに近いプログラムからアプリケーションプログラムまでの幅広い開発を、あたかも一つの開発環境を使用しているような感覚で行うことができます。「eBinder」のユーザインタフェースを通じて、「PARTNER-J」が提供する実行制御機能を利用することができ、複数の開発環境に慣れるための時間を削減することができます。また、フラッシュメモリ上にあるユーザプログラムの実行制御が可能になり、より最終製品に近いターゲット環境での開発が可能になります。
本製品は、PDAや携帯電話などコンシューマ製品の開発現場をマーケットに見込んでいます。コンシューマ製品は、搭載される通信デバイスが限られているため、「eBinder」と「PARTNER-J」はお互いを補完でき、強力な開発環境を構築します。今後、イーソルとKMCは、両製品の通信機能面での連携、対応ターゲット環境の拡充も、視野に入れています。
京都マイクロコンピュータ株式会社 のコメント
「Solution PlatformとPARTNERシリーズとeBinderを利用することにより、評価から製品開発まで統一した開発環境を提供するこことにより、開発者の皆様は今までのように苦労することなく、簡単かつスピーディーに開発テーマをクリアすることが出来ます。もちろん今後、新たに開発されるRISC CPU各種についてもイーソル社との強い協力関係を最大限に利用しより良い開発環境のご提供を行います。」
イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部 上山伸幸 のコメント
「OS指向のシステム開発を支援する『eBinder』と、よりハードウェアに近いクリティカルなプログラムのデバッグが可能な『PARTNER-J』が連携することで、幅広い開発フェーズのサポートが実現できました。今回のJTAG ICE連携のほか、『eBinder』とバンドルして提供させていいただいているターゲットボードの提供においても、KMCとは深いパートナシップを築いています。今後も、開発者の皆様により良い開発環境の提供を目指していきます。」
「PARTNER-J」について
JTAGポートは、RISCを中心とする高速な新世代(システム・オン・シリコン時代)のCPUにおいてデバッグインタフェースポートとして注目されています。このデバッグポートとPARTNER-Jを接続することにより、CPU固有のデバッグ資源を最大限活用する事が可能になりました。 PARTNER-J は、JTAGツールは遅いという古い常識を打ち破り、デバッガの応答速度を犠牲にすることなくターゲットボード上で動作しているCPUから発信される多くの情報を直接デバッガが受け取り、フルに活用することで高価なインサーキットエミュレータと同等の機能を実現しました。
▽『PARTNER-J』詳細:
http://www.kmckk.co.jp/j/index.html
「eBinder」について
μITRONは、いまやOSが搭載された全家電製品の多くのシェアを持つ、最もポピュラーなカーネルです。その一方で、現在市販されているμITRONの開発環境には、μITRONの特性を生かした十分な機能が提供されていない現状があります。トロン協会の調査では、ITRONの短所として、14.1パーセントの技術者が「開発環境/ツールの不足」を挙げています。(トロン協会、MST2000アンケート結果より)また、μITRONはスケジューリング機能のみを実装したコンパクトなカーネルであるため、必要なソフトウェア部品と組み合わせる必要があります。他社のμITRONやソフトウェア部品の組み合わせは、なかなかスムーズにいかないのが通常です。
eBinderは、これらの課題を解決するμITRON対応組込み開発環境です。最大8個までのタスクを同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツールなど、リッチなデバッグ機能を提供します。また、μITRONとアプリケーションに必要な最低限のソフトウェア部品を、そのベンダや種類を問わず、自由に組み合わせることができ、コンフィギュレーションからビルド、デバッグ・テストまでの開発工程をサポートします。さらに、ソフトウェア部品とそれらの情報をXMLファイルに記述しパッケージ化する手法により、ソフトウェア部品の再利用と流通を促進するほか、開発現場が抱えている開発期間の短縮・品質の向上といった課題を解決します。
eBinderは、μITRON以外のOSへも対応できるよう設計されており、他のOSへの対応も視野に入れています。
▽『eBinder』詳細:
http://www.esol.co.jp/embedded/京都マイクロコンピュータ株式会社について
1985年の設立以来、開発環境の充実をテーマに製品の充実をはかってまいりました。ソフトウェア技術を中心に、それを活用するためのハードウェアを独自に開発しています。ROMインサーキットデバッガ、コンパイラなどの開発環境と、CPUの高速化に対応するためのボード類を軸に時代のニーズにお応えする製品を開発してまいりました。 RISC CPUへの対応やJTAGツールの対応など、他社よりもより早く、今求められる技術、製品を開発する当社に今後もご期待ください。
イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、ライセンス & ロイヤリティフリーでソースコードを公開しているμITRON「PrKERNEL」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。
*eBinderはイーソル株式会社の登録商標です。
*PackageBuilderはイーソル株式会社の商標です。
*PARTNER-Jは京都マイクロコンピュータ株式会社の商標です。
*Solution Platform for ARM7は京都マイクロコンピュータ株式会社の商標です。
*TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
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